自分に合う陶芸教室の選び方

陶芸教室と一言でいっても、本当に数多く存在しています。
そして陶芸教室によって通いやすさや、作業のしやすさ、器の仕上がりなどが大きく異なってきます。
では何を基準に選べば、自分に合う陶芸教室を選ぶ事が出来るのか、その基準について紹介します。

まず陶芸教室の通いやすさについてですが、自宅や通勤先に近く通いやすい事が必須条件となります。
陶芸は初心者でも器を作る事自体は可能ですが、すぐに自分がイメージする器を作れる訳ではありません。
基礎を学んで技術や知識を身に着けて、徐々に自分の理想のイメージを形づくれるようになると言えるでしょう。

そのため長く続けられる趣味として、陶芸を始めて欲しいので、長く通う事を第一に通いやすさで選ぶ事は大切です。
また通いやすさとは立地条件だけではありません。
陶芸教室によっては、週に1回のペースで、決められた曜日に決められた時間帯にレッスンを受けるという形の教室もあります。しかし陶芸教室に関しては、フリー制になっている教室も少なくありません。
フリー制とは、陶芸教室が開放されている時間帯であれば、好きな時間、好きな曜日に訪れて作業に取りかかる事が出来ます。そして教えて欲しい事があれば、自分から陶芸教室の先生に声をかけて、アドバイスをもらうという方法です。
ただし、生徒数が多すぎるとなかなか先生に声をかけづらい状況になってしまいます。
なので、生徒数に対して先生やアシスタントがどれぐらいの割合でいるのか、少人数制が望ましいと言えます。
目安としては、10人の生徒に対して先生は1人が目安となります。
また少人数制の方が、アットホームで雰囲気がいい傾向があります。

教室の広さに関しては、広い方が道具を広げて作業しやすいと言えます。
また釉掛けのスペースと成形のスペースは、別に用意されている方が作業はしやすくなります。

器を作る上で陶芸教室の雰囲気も重要視するべきだと言えます。
あまり陶芸教室に、ギスギスした気持ちで通う人はいないと思います。
ですが静か過ぎて緊張し、せっかく陶芸教室に通っているのに淡々とした雰囲気では、趣味の友達が作れません。
せっかく陶芸という共通の趣味を持っているわけです。
趣味を通じて新しい友達を作れるチャンスや陶芸に関する情報交換など、より趣味を深める場として下さい。

そして陶芸教室を選ぶ上で重要なのが、陶芸教室の先生がどんな人なのかという点です。
先生の人柄や自分との相性。
またどれぐらい陶芸家としての実績があり、プロとして活動しているのかどうか。
技術と知識も兼ね備えていなければいけません。

陶芸家になるには、特に資格が必要な訳ではありません。
ですが独学で学んだ先生よりも、大学などで専門的な知識をしっかり学んでいる先生の方が望ましいと言えます。
またどれだけ作品が優れた先生であっても芸術家肌の先生すぎると、人に教えるのは下手というケースもあります。
弟子であれば、陶芸家の先生の技を見て覚えるのもありだと思います。
しかし陶芸教室では、やはり分かりやすく教える事が出来る先生でなければいけません。

あと実作業工程の範囲やコースについても、自分に合った内容で選ぶ必要があります。
実作業工程は、少なすぎたら物足りないと感じ、多すぎると大変です。

陶芸教室で貸してくれる道具

陶芸教室に通うメリットとして、陶芸に使用する道具を全て無料で貸してくれるという点も大きな魅力だと言えます。
陶芸に使用する道具を全てイチから揃えようと思ったら、初期費用が高くなってしまいます。
また初心者の段階で、自分に合った道具を選ぶのは難しいと言えます。
陶芸教室でいくつかの道具を使用しながら、自分の手に馴染む道具を徐々に揃えていくという方がいいでしょう。

では陶芸を作る過程で、どのような道具を使用するのか道具の種類について紹介します。
まず粘土の際に、使用する道具としては「かめ板」は、練った粘土をろくろで成形する時に回転テーブルの上で粘土を固定するために使用する板です。かめ板のサイズは、作る器のサイズに合わせて選ぶといいでしょう。

「粘土板」は粘土を練る時や、ろくろで成形し乾燥させる時に使用する板です。
「粘土吸水盤」は、成形する際に出た削りカスや余った粘土を再生するための道具です。
「粘土吸水盤」に水を入れて泥上にして、日陰で放置しておくと、再び柔らかい粘土に戻るので、余った粘土も無駄なく使う事が出来ます。

では次に、粘土を成形する際に使用する道具について紹介していきます。
粘土を成形する際には、ベラを使用しますが、ベラには色々と作りたい形によって使い分けるのがポイントです。
「彫塑べら」は、指先では難しい細部の仕上げに使用したり、表面を滑らかにする際に使用したりするべらです。
「かきべら」は、粘土が柔らかい状態の時に使用しやすく、表面を削ったり、表面に模様をデザインしたりする時に使用します。

その他、特殊へらとして、「線描べら」「土かき丸べら」「馬かき」など色んな種類のベラがあります。
なので、このベラを使えば、どんな成形が出来るのか分からない場合は、一気に道具を覚えるよりも一つ一つ陶芸教室の先生に教えてもらうといいでしょう。

「成形こて」は言葉どおり、成形する際に形を整えるために使用します。
特に自分では手が届きにくい、内側部分を成形するのに便利な道具です。
粘土を成形する際に使用する道具は、まだまだたくさんありますが、全ては紹介出来ないので、次は絵付け、施釉の際に使用する道具を紹介します。

普段見慣れない道具としては「釉がけハサミ」というハサミがあります。
ハサミといっても粘土をカットする訳ではなく、釉がけをする時に器を手でもってしまうと指紋がついてしまいます。
指紋をつけずに、また釉がけで手が汚れないためにも、「釉がけハサミ」で器を挟んで釉を掛ける道具です。

「比重計」とは液状の釉薬の比重を計るために使用する道具です。
ただし釉薬を自分でオリジナルを作る場合は、必要不可欠ですが、陶芸教室で用意された釉薬の場合はキチンと比重を考慮されて調合されています。なので、あまり使用する機会はないかもしれません。

絵付けの道具に関しては、筆や絵の具皿など美術の時間にお馴染みの道具なので、使い方は分かりやすいと言えます。
焼成の際に必要な道具も数多く存在しています。

しかし基本的に陶芸教室では、焼成は生徒自身が行う訳ではありません。
生徒は器を作り、それを陶芸教室がまとめて焼成を行う形が一般的だからです。

陶芸教室で使用する釉薬の種類と特徴

陶芸教室では、釉薬を掛けずに焼き締めで完成させる作品がない訳ではありません。
ですが大半の作品には、釉薬を掛けて焼成するのが基本です。
なぜかというと、釉薬を掛ける事で、粘土で作られた器の表面にガラス状の薄い膜が出来ます。
その薄い膜のおかげで、器の強度が増し、酸の腐食を予防するなど耐久性が高まります。

また何よりも釉薬の原料によって、様々な色合いの器になり、それが陶芸の魅力になっていると言えるでしょう。
釉薬にはどれぐらいの種類があるのかというと、数えきれないほど存在しています。
なぜかというと、釉薬種だけで70種類以上あり、それを各陶芸教室によって調合しオリジナル釉薬を作るからです。

では釉薬には、どのような種類がありどのような特徴があるのか紹介していきます。

「透明釉」は、言葉通り無色透明の釉薬の事です。
粘土本来の色をそのまま生かす事が出来、素朴な仕上がりになります。
釉薬を無色透明にする事で、絵付けがよく目立つため、絵付けを目立たせたい時には透明釉を掛けましょう。

透明釉には、石灰や長石が調合されています。
石灰が高温で溶けて、長石が粘土に接着しガラスの薄い膜になる働きがあります。

「マット釉」とは、不透明で光沢がないツヤ消しの効果がある釉薬です。
光沢がないために、落ち着いた質感の器になります。

なぜ不透明で光沢がない状態になるのかというと、釉薬の中にわざと溶けきれない結晶を混ぜます。
結晶がある事で、光が乱反射を起こし不透明に見えるという訳です。
マット釉の調合例はいろいろありますが、長石、土灰、硅石でも作れます。

「青磁釉」は、釉薬に微量な鉄分を含むため、まるで青磁のように青~緑に発色します。
酸素が少ない還元焼成なら青色に、酸素が十分な酸化焼成なら黄色になります。

陶芸が盛んな瀬戸焼きや美濃焼きは、青磁釉の釉薬を使用して作る器の代表格です。
調合の際に、草木灰を混ぜると発色は不安定になりますが、温かみのある発色になります。
歴史の長い釉薬で、発色に多様性があり、調合する人によって発色が大きく変わるのが特徴だと言えます。

「乳濁釉」は、言葉通り白く濁っている釉薬です。
なぜ濁ってしまうのかというと、釉薬の成分が結晶にならずに、非晶質で分子と原子が乱れた配列になっているからです。
原料は長石、土灰、藁灰などが調合されています。
美しい白色を出すために、骨灰が使用される場合もあります。

同じ器であっても、釉薬の種類によって、仕上がりが大きく変わってくるので、陶芸教室がどのような釉薬を調合しているのかも陶芸教室選びで重要なポイントだと言えます。

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陶芸教室で使用する粘土の種類と特徴

陶芸教室で使用する粘土の種類は、各教室によって異なります。
陶芸教室で、生徒は月謝とは別に材料費として、粘土代も支払っています。
そのため教室に常備していない粘土であっても、生徒がこの粘土で器を作りたいと希望する粘土があれば、取り寄せる事も可能だと言えます。

しかしあまり陶芸教室に常備していない粘土を取り寄せる事は、オススメ出来ません。
なぜかというと、粘土によってそれぞれ性質が異なります。
そのため、陶芸教室では常備している粘土の性質に合わせて、釉薬を選び、焼成の温度を設定しています。
つまり粘土だけ自分の好みの粘土を選んだとしても、その後の工程で上手くいかない可能性が高いと言えます。

なので、この粘土を使用してみたいという粘土がある場合は、その粘土を使用している陶芸教室を探すべきだと言えるでしょう。
では粘土によって、どのような性質があるのかいくつか代表的なものを紹介していきます。

信楽と言えば、陶芸の街として有名ですが、信楽の粘土は白土と赤土、そして水ひ粘土など複数の種類の粘土があります。
「信楽白土」には、白い石が多く含まれているため、焼成すると白い石が表面に出て独特な風情が加わります。
適度に粘りがある粘土なので、初心者でも扱いやすい粘土だと言えます。

「信楽赤土」には、信楽白土に、鉄分が加わる事で焼成した際に、赤茶色の落ち着いた色味が加わります。
信楽白土と同様に、信楽赤土も適度に粘りがあるので、初心者でも扱いやすい粘土です。

「信楽水ひ粘土」白土と赤土は粗さが残る土なのに対して、この水ひ粘土は粒子が細かく玄人向けの粘土だと言えます。
粒子が細かいため、釉薬を掛けた時の発色もよく、器の色に拘りたい人にオススメの粘土です。

信楽以外に、伊賀も陶芸が有名な街です。
伊賀焼きの粘土は「伊賀土」が使用されています。耐火土度が高いため、土鍋などを作るのに適した粘土です。
また耐火土度が高いため、窯の中でヒビ割れが起こりにくい丈夫さも人気の理由です。
土の質感が味わい深く、デザインに凝るよりも素朴なデザイン向きの粘土だと言えます。

「京半磁器土」は京都産の土です。きめ細かく磁器のような白く透明感のある仕上がりになります。
繊細な器が完成しますが、実は成形しやすいので、初心者でもオススメの粘土です。
京都産の土で作った器は、京料理を盛りつけるのに最適だと言えるでしょう。

全国的に有名な粘土の種類はまだまだたくさん存在しています。
基本的に陶芸教室は陶芸が有名な土地柄であれば、その土地で有名な粘土を使用するケースが多いと言えます。
ですがそれ以外の土地であれば、陶芸教室を開いている先生の好みで粘土を選んでいるケースが大半なので、使用する粘土で陶芸教室を選ぶのも選択肢の1つだと言えます。

陶芸教室で使用する窯の種類とその特徴

陶芸教室によって、焼成の窯の種類が異なります。
窯の種類には、ガス窯、トンネル窯、電気窯、薪窯などがありますが、当然窯によって焼き上がるが変わってきます。
では窯の種類による焼き上がりの特徴について紹介していきます。

まず陶芸が盛んな地域・美濃では、ほとんどの陶芸教室でブタンガスを燃料としたトンネル窯が使用されています。
トンネル窯は、陶芸の窯の中で最も近代的な窯だと言われています。
トンネル窯で焼成すると、一度に大量に焼き上げる事が可能で、しかも焼き加減が均一でキレイな仕上がりとなります。
また燃料も効率的なので、コスパが良いと言えます。

ただ、陶芸においては、必ずしも効率化だけが重視される訳ではありません。
手間がかかる焼成方法で、非効率であっても味がある器が焼き上がるなら、昔ながらの窯を選択している陶芸教室もあるからです。

また電気窯の場合は、温度調節が難しい炎と異なり、窯の中に張り巡らされた電熱線で窯の温度を上げていきます。
電気制御は、コンピューターによって行われるため、焼成が安定し、失敗しにくいというメリットがあります。
酸化や還元も自由自在に行えるので、イメージ通りの器が作りやすいと言えるでしょう。
ですが他の窯と比べると、焼成費が高くなる傾向があります。

陶芸というと、その歴史は古く、紀元前6世紀頃にエジプトで作られていた記録が残されています。
そのため、昔ながらのやり方というイメージが強いですが、時代とともにそのやり方は大きく変化しています。

まだ実用化はされていませんが、電子レンジと同じ仕組みでマイクロ波を活用する窯も小さい容量ならすでに存在しています。

ガス窯は、窯の焚き口から炎を送り込む事で、焼成します。
窯の温度は、ガス圧と空気量を調節する事で調節するため、熟練の技が問われます。
つまり陶芸教室でガス窯を担当する陶芸家の先生の経験値が問われると言えます。

ガス窯の場合は炎の発熱量が高いため、酸化や還元の操作は比較的簡単に行う事が可能です。
ガス窯と電窯では、同じ器を焼成した場合に、ガス窯の方がより味わいがあり、電気窯はサラっとした焼き上がりになります。

薪窯は、昔ながらの焼成方法と言えるでしょう。
薪を燃焼させる事で焼成を行います。登り窯や穴窯など、薪窯の中でも色々な種類が存在します。
薪窯は最も手間がかかる焼成方法ですが、同時に陶芸の醍醐味を最も味わう事が出来ます。
薪窯では、同じ器は二度と作れないと言えるほど、火加減や気温に大きく左右されるので、神秘的な作品が生まれる事にあります。ただ陶芸が盛んな地域では、陶芸教室でも薪窯で焼成してくれるところもあるかもしれませんが、都心部では薪窯で焼成してくれる教室はほとんどないと言えます。